フルフィルメント by Amazon(FBA)とは?メリット・デメリットを解説

フルフィルメント by Amazon(FBA)とは?メリット・デメリットを解説

7月 13, 2021

Amazonに商品を出品する前に、知っておくべきサービスが、フルフィルメント by Amazon(FBA)です。

フルフィルメント by Amazonを利用すると、出品者は、商品の在庫管理や配送などをすべてAmazonに任せられます。商品の保管や発送といった、購入者へ商品を届けるまでの一連の業務をすべてAmazonが代行してくれるので、うまく使えば大きなメリットを得られます。

今回は、フルフィルメント by Amazon(FBA)について、メリット・デメリットを解説します。

フルフィルメント by Amazon(FBA)とは

フルフィルメント by Amazon(以下、FBA)とは、商品の保管や配送など、お客様に届くまでの一通りの業務を、Amazonが代行する物流サービスのことです。販売事業者は、主に次の業務を委託できます。

  • 入荷処理
  • 棚入れ
  • 商品の保管
  • 注文のカスタマーサービス
  • ピッキング
  • 梱包
  • 発送
  • 返品対応

「フルフィルメント」とは、ECで商品の注文~到着までに必要な、在庫管理・梱包や配送などの物流・問い合わせといった一連の流れのことです。

Amazonのフルフィルメントセンターは世界中に存在しており、FBAの利用時は、近くのFBA拠点へ出品者が商品を納品します。

Amazonに出品し、購入者へ商品を届ける方法には2種類あります。

1つは、在庫を自社で管理して商品を発送する方法です。もう1つは、FBAを使いAmazonに代行してもらう方法です。

FBAは、販売者(Amazon)と出品者のみが利用できます。FBAと自社配送を使い分け、最適な方法を採用している出品者も多いです。どちらを選んでも、切り替えはいつでもできます。

自社配送向きの場合というのは、例えば、FBAに適さない商品(危険物や長期在庫保管手数料がかかるなど)や、独自パッケージが使える、利益率の少ない商品でも収益を上げられるなどです。

FBA向きの場合は、商品数が多い、マージンが大きい、短期間でビジネスを拡大したいなどです。

2018年7月のAmazon調査結果では、75.5%の販売者が、「FBAを利用後、売上が上がった」と回答しており、満足度の高いサービスと言えます。

FBAを利用するメリット

メリット

FBAを使うと、出品者・購入者には、次のような6つのメリットがあります。

決済方法の選択肢が増える

希望の支払い方法がなく、ユーザーが購入をやめてしまうのは大きな損失です。

FBAでは、決済方法に代金引換(代引き)が使えるため、クレジットカードを使えないユーザーでも購入でき、顧客を逃しません。

Amazonプライム対象商品になる

FBAから出品される商品には「Primeマーク」が表示されます。すると、Amazonプライムのお急ぎ便やお届け日時指定便が無料で使えるようになります。

配送の速さも、商品選びのポイントです。プライム対象の商品を探すユーザーもおり、プライム対象でない競合商品よりも、プライム会員の購入意欲を引けるでしょう。

すぐに欲しいなど、様々な事情でプライム対象商品を買いたい人から購入してもらいやすくなり、売上げアップが期待できます。

Amazon発送で信頼・安心感が増す

FBAの商品には「Amazon.co.jpが発送します」という表示がされます。発送元がAmazonだと、安心して買えるというユーザーもいます。

これには、Amazonの発送には、梱包がしっかりしている、送料無料で配送が速いなどのメリットがあるため、FBAでAmazon発送にするだけで、購入意欲を引く可能性が高いです。

業務負担を軽減できる

FBAの利用で、出品側が用意・手作業する必要のある、商品の保管や発送、顧客対応などの一連のフルフィルメント業務が不要になります。すると、マーケティングなど他の業務に時間を使えるので、より売上げアップに近づくでしょう。

他にも、多くの商品を保管するための場所や、管理などの細かい作業、問い合わせ対応が不要になります。このため、家賃や人件費のコストカットや、心身の負担軽減にもなります。

カートボックスの獲得率アップ

値段が同じ同一商品を複数店が出品しているとき、FBA利用の商品は優先してカートを得られます。FBAの導入だけで、競合より有利になるというわけです。

カートボックスの獲得率が上がると、商品ページへアクセスした人のうちの購入者数(ユニットセッション率)が上がり、売上もアップします。

このカート獲得方法は、Amazon公式では非公表ですが、FBAでカート獲得率が上がりやすくなることは、公式サイトにも記載されています。

※カートボックスとは、商品ページの「カートに入れる」ボタンを含むエリアのことです。Amazonでは、同一商品を複数のショップが販売している場合、1つの商品ページにまとめられます。そのため、目立つ位置に表示されるのは、カートを獲得できている1出品者のみになり、その他出品者はほとんど表示されません。

このため、カートボックスが獲得できないと、ユーザーが出品者一覧から購入先をわざわざ選択しない限り、購入はされません。

FBAを利用するデメリット

デメリット

FBAには、次のような3つのデメリットがあるため、事前に知っておきましょう。

手数料がかかる

FBAの利用には、代行手数料や在庫保管手数料などの手数料がかかります。ECの様々な業務を代行してもらえるため、手数料がかかる仕組みになっていますが、経費を削減したい出品者にとっては負担になりがちです。

手数料は、月額の固定費ではなく、商品が売れるごとに発生します。発生する手数料の種類については、次項で解説します。

商品の状態を確認できない

FBAでは、目視での検品を行っていますが、出品者側が出荷前の商品の中身の状態をチェックすることはできません。

そのため、不良品に気づかずに発送してしまうと、返品やクレームになりやすいです。

また、海外などから大量に仕入れた品に多くの不良品があっても、FBAに直送すると、検品できないため後々問題になりがちです。

取り扱えない商品がある

FBAでは飲み物から日用品、服など、基本的には取り扱える商品がほとんどですが、次のように一部取り扱えない商品もあるため、必ず確認してください。

  • 危険物、危険物マークのある商品
  • 医薬品
  • 医療品、医療機器
  • 日本の規格および法律を満たしていない商品(日本語ラベルのない化粧品など)
  • 貴金属
  • 金券類
  • 室温で保管できない商品
  • 動植物
  • 出品に必要な届出や許可取得などが行われていない商品
  • 金貨、記念コインなど
  • 古銭、古札
  • リコール対象の商品、日本で販売禁止の商品
  • その他の商品に影響を及ぼす恐れのある磁性商品
  • 大麻由来製品
  • など

詳細は、Amazon公式「FBA禁止商品」を確認してください。

FBAを利用する際に発生する手数料

FBAを利用するには、次のような手数料が必要になることがあります。手数料は、商品の保管スペースと、Amazonが配送などを代行した注文数によって計算されます。

FBAの利用前に手数料を計算し、利益との兼ね合いを確認するのが大事です。それぞれ説明します。

在庫保管手数料

Amazonフルフィルメントセンターに保管する全商品にかかります。

在庫保管手数料は、「ファッション系商品」「ファッション系以外の商品」カテゴリーと、保管対象期間、商品サイズにより、料金が異なります。

手数料の計算方法は、月額基準料金に1日平均の在庫容量(立方メートル)を掛けます。日割り計算です。詳しくは、Amazon公式「在庫保管手数料」で確認できます。

長期在庫保管手数料

保管期間が1年(365日)以上になると全商品にかかります。月1回、毎月15日の在庫一掃チェック実施日に発生します。長く売れていない商品の管理も怠らないようにしましょう。

長期在庫保管手数料は、「本・CDなどのメディア商品」「メディア以外の商品」で料金が異なります。

メディア商品:1商品10円
メディア以外の商品:1商品17.773円

詳しくは、Amazon公式「FBA長期在庫保管手数料」で確認してください。

配送代行手数料

商品が売れるごとにかかります。注文された商品1点ごとのピッキング、梱包、配送、カスタマーサービス、返品の業務にかかる料金です。

商品のサイズ区分、寸法、重さによって料金が異なります。小型から特大型まで、重くて大きいほど配送代行手数料は高くなり、数百円~5,000円以上の差があります。詳しくは、Amazon公式「FBA配送代行手数料」を確認してください。

納品不備受領作業手数料

発生までに必要な梱包などの準備や、ラベル貼付けがされていないといった不備のある商品がフルフィルメントセンターに納品され、Amazon側が予定にない受領作業を行った場合にかかります。

納品不備受領作業手数料が発生しないよう、適切な状態の商品を納品するのが重要です。

返送/所有権の放棄手数料

フルフィルメントセンター内の商品を出品者に返送、または廃棄する場合、商品1つごとにかかります。

商品の重さによって手数料が異なり、小型~特大型に分けられています。こちらも、重量が少ないほど手数料は安く、商品1点あたり0~200gだと30円、5001g以上だと350円+超えた分の1,000gにつき40円が発生します。

返送や廃棄が発生しないよう、しっかりと計画を立ててから納品するのが重要です。詳しくは、Amazon公式「FBA在庫の返送/所有権の放棄手数料」を確認してください。

購入者返品手数料

服・靴・バッグなどファッションカテゴリの商品では、Amazonが購入者への返品時の送料を無料にしており、その場合に発生する手数料です。通常の手数料と同じ料金が発生します。

購入者返品手数料を発生させないために、返品を減らすための施策が重要です。

まとめ

効率的かつ信頼性の高いフルフィルメントサービスの利用で、顧客の満足度もアップします。FBAの活用を検討されている場合は、Amazonに特化した運用代理店へ相談する方法もあります。

Amazonの運用経験豊富なプロにより、競合調査から商品ページのデザインやコピーライティング、広告運用まで、売上アップに必要な業務を一貫してのサポートが可能です。