ECサイトのAmazonで商品を探しているとき、動画の商品広告を見かけたことはありませんか?
これは「スポンサーブランド動画広告(SB動画広告)」といって、Amazonへブランド登録済みのショップが、商品検索をする人に向けて商品を動画で紹介し、商品ページへの流入と購入を促すものです。
売上アップを望む出品者にとって、メリットのある広告となっています。
今回は、Amazonスポンサーブランド動画広告について、制作時のポイントや注意点を解説いたします。
目次
スポンサーブランド動画広告とは
スポンサーブランド動画広告とは、Amazonのデスクトップやモバイルの指定したキーワードの商品検索結果に、商品を紹介する6〜45秒の動画を表示する広告です。
動画をクリックすると、商品の詳細ページに飛ぶ仕組みになっており、ユーザーに商品をアピールし、購入につなげやすくする効果があります。
スポンサーブランド動画広告は、2020年12月に始まった広告サービスで、Amazonのスポンサーブランド広告の1つです。スポンサーブランド広告とは、商標を取得し、Amazonへブランド登録が完了しているショップのみが出せる広告になります。
そのため、スポンサーブランド動画広告を出すと、ブランディングと認知度の両方を強められます。
スポンサーブランド動画広告の仕様
スポンサーブランド動画広告は、以下の仕様となっています。
- <動画>
- 画面の50%に動画が表示されると、自動再生されます。
- <ミュート切り替えボタン>
- 音声ありの動画では、動画右下のスピーカーのアイコンを押すと、音声の有無を切り替えられます。デフォルトでは音声なしで再生されます。
- <商品画像>
- 商品のトップ画像が表示されます。
- <商品の詳細>
- タイトル、レビューの星とレビューの数、価格、プライム利用資格、クーポンなどの商品情報が表示されます。
掲載する動画は、次の条件に沿っている必要があります。
動画再生時間 | 6~45秒(30秒以下を強く推奨) |
動画サイズ | 1920×1080ピクセル、1280×720ピクセル、または3840×2160ピクセル |
ファイルサイズ | 500MB未満 |
ファイル形式 | .MP4または.MOV |
アスペクト比 | 16:9 |
動画コーデック | H.264またはH.265 |
動画のプロファイル | メインまたはベースライン |
フレームレート | 23.976fps、24fps、25fps、29.97fps、29.98fps、または30fps |
動画のビットレート | 最小1Mbps |
動画スキャンの種類 | プログレッシブ |
音声は、次の条件に沿っている必要があります。
音声コーデック | PCM、AAC、またはMP3 |
音声形式 | ステレオまたはモノラル |
音声ビットレート | 最小96kbps |
音声サンプルレート | 最小44.1khz |
スポンサーブランド動画広告のメリット
スポンサーブランド動画広告には、主に次のような2つのメリットがあります。
訴求効果が高い
動画は、静止画よりも多くの情報をわかりやすく伝えられます。見る人に短時間で印象づけられるため、購買意欲を高めやすいです。
商品を実際に使った感じや臨場感、生まれる感情などを映像と音で表現し、画像や文字よりもたくさん伝えられるので、「この商品を使ってみたい、欲しい」という購買意欲を強く刺激します。静止画のみのその他商品の中で、動く映像を出せるので、消費者の目にとまりやすいのです。
Market Track社が行った調査では、オンラインで商品を探すとき、「消費者の75%は通販サイトで検索を始め、そのうち58%はAmazonで検索を始める」という結果が出ています。
このように、多くの人が商品検索をするAmazonで、競合より目立つ広告を出せるのはとても有利です。
また、スポンサープロダクト広告やスポンサーディスプレイ広告では、出店者が作成した広告の配信はできませんが、スポンサーブランド動画広告では、動画を作成しクリエイティブとして配信できます。工夫次第では商品の魅力をより伝えられ、売上につなげられるでしょう。
クリック率が高い
スポンサーブランド動画広告は、商品の検索結果で目立つので、「通常のキーワード広告に比べてクリック率が2〜3倍高くなる」という見解があります。
また、Amazonの調査によると、スポンサーブランド動画広告を初めて採用したブランドは、採用しなかったブランドに比べて「翌月の売上が21%増加」したという結果が出ています。
長期間の調査では、スポンサーブランド動画広告をキャンペーンに追加した場合「売上が10%、クリックスルー率が25%増加」したという結果でした。
スポンサーブランド動画広告を配信すると、短期的にも長期的にもプラスの効果があることがわかっています。
スポンサーブランド動画広告の制作ポイント
スポンサーブランド動画広告の制作は、次の点を押さえると効果的です。それぞれ解説します。
動画の長さは15~30秒にする
動画は最大45秒までの長さにできますが、Amazonが公式に強く推奨しているのは、15~30秒の動画です。商品の良さは、動画が短いまたは長いと伝わりにくくなってしまいます。
長い動画は飽きてしまいますし、見る時間も中々ありません。そんな忙しい現代人に向けて、15~30秒内に商品の重要なアピールポイントを絞り込み、確実にメッセージを伝えましょう。
動画の最初に伝えたいことを入れる
最初の2~3秒に伝えたいことを含め、商品を探す人の興味を引くのが重要です。例えば、動画の最初の2秒に商品を表示して第一印象を与え、最初の5秒間に商品機能についての内容を含めることをAmazon公式が推奨しています。
ユーザーは、忙しい日々の合間に、膨大な商品数の中から買いたいものを探しています。動画をゆっくり見ている暇はないのです。「何を言いたいのかよくわからない」と一瞬でも思われてしまうと、立ち去ってしまいます。
ループ再生に考慮する
動画は自動的に繰り返し再生されるので、終わりがどこかわかりやすく、最初と最後の継ぎ目が不自然にならないようにしましょう。
動画の終わりをわかりやすくするため、例えば、ロゴなどの画像を最後に表示するといったやり方もおすすめです。
音声がなくても理解できる内容にする
動画広告では音声をオンにすることもできますが、最初はミュートの状態で再生されます。そのため、無音の映像でも、ユーザーに商品のアピールポイントを伝えられるよう、字幕をつけるなどの工夫をして商品についての理解を促しましょう。
動画内のテキストは、スマホの小さい画面でも読みやすいフォントと大きさにします。
モバイルの使用に考慮する
スマホはパソコンよりも画面が小さいため、動画内の写真や文字が小さい、色がわかりにくい、情報量が多いまたは少ない、クローズドキャプション(字幕)が適切でないなどの問題があると、ユーザーが内容を理解できず、ストレスを感じて立ち去ってしまう可能性が高いです。
「メディアが見にくいブランド」というイメージが一度ついてしまうと、回復は難しいでしょう。
動画制作では、スマホやパソコン、タブレットなど複数の環境で再生し、見やすいかどうかチェックするのが重要です。
スポンサーブランド動画広告を制作する際の注意点
次の点に該当する動画は、審査に通らない可能性があります。ポイントを押さえてスポンサーブランド動画広告を制作し、効果的に掲載しましょう。
動画の最初や最後に空白または黒のフレームを使用しない
広告動画はループ再生されるので、動画の始まりと終わりをわかりやすくする必要があります。
動画の最初や最後に空白または黒のフレームを使ってしまうと、動画がどこで開始または終了したのかがわからず、ユーザーが見にくい動画になってしまいます。最初の3秒以内に伝えたい内容を入れることもできず、ユーザーの離脱にもつながるでしょう。
カスタマーレビュー(レビューの星の数を含む)を掲載しない
「買って正解でした!」といった、商品購入者の感想や評価の星の数をスポンサーブランド動画広告に表示するのは、Amazon内のレビューであっても禁止されているため、避けてください。他の表現で商品をアピールしましょう。
テキストの読みやすさに気を付ける(サイズ・色など)
大きいまたは小さすぎる、画面に収まっていないといった判読不能のテキストは禁止されていますが、読みにくいテキストもユーザーに内容が伝わらず、広告効果が出にくいでしょう。
画面上のテキストのサイズは、30ポイントまたは35ピクセル以上がおすすめです。また、背景と似た色の使用はやめましょう。
字幕をつける場合は、75ポイントまたは80ピクセル以上のサイズの白色のテキストを、不透明度80%の黒い境界ボックス上に表示するのが推奨されています。
Amazonのブランディング要素を含まない
Amazonのロゴやサービスについての内容を動画に含めると、Amazonのブランディングになるため禁止となっているので、気をつけましょう。
まとめ
Amazonスポンサーブランド動画広告について紹介しました。ブランディングにもなるこの広告は、売上げアップの有力な方法です。
「Amazonの売上が思うように伸びない」「動画の作成や様々な設定ができない」そんなときは、Amazonに特化した運用代理店への相談がおすすめです。
Amazonのアルゴリズムを知り尽くした技術者によるページ制作・広告運用のサポートやアドバイスを受けることで、売上アップを達成できる可能性があります。予算なども気軽に相談できる場合もあるので、まずは問い合わせてみてください。