FBAを利用する際の流れと注意点を解説

FBAを利用する際の流れと注意点を解説

9月 18, 2021

AmazonマーケットプレイスでEC運営をおこなう場合に便利なのが、在庫管理から発送までの業務をAmazonに委託できるFBA(Fulfillment By Amazon)というサービスです。

物販には非常に多くの作業が必要ですが、FBAを利用すれば商品をAmazonに納品するだけで物流からカスタマー対応まで一任でき、手間や人件費を削減して効率的に運営できます。

今回は、FBAを利用するにはどうすればよいのか、その利用手順や利用のうえでの注意点について解説いたします。

FBAの利用手順

ステップ

FBAを利用するにはAmazonに商品を登録し、納品する必要があります。その利用手順と、どのような作業が必要になるのかをご紹介いたします。

商品登録

まず、Amazonで出品する商品の登録をおこないます。この作業は自社発送の場合も同様です。

すでにAmazonで取り扱っている商品を販売する「相乗り販売」の場合は以下の手順で進めます。

  1. アカウントサービスから出品用のアカウントを選び、Amazonセラーセントラルにログインする
  2. ≡メニューをクリックし、「在庫」→商品登録をクリック
  3. 検索フォームで商品を検索し、「この商品を出品」をクリック
    ※商品の間違いを防ぐため、JANコードでの検索がおすすめです。
  4. 詳細表示で価格、出品者SKU(管理番号)、コンディション(新品/中古)、フルフィルメントチャネル(FBA配送)を登録する

なお、オリジナル商品など現在Amazonで販売されていない商品を出品する場合、商品のカタログ登録が必要です。

手順3の検索窓の下にある「Amazonで販売されていない商品を追加します」をクリックし、必要項目を入力してください。

納品手続き

商品の登録が完了したら、次は納品手続きです。

  1. セラーセントラルで≡メニュー→「在庫」→「全在庫の管理」をクリック
  2. 商品一覧で納品する商品をチェックで選択→「選択中の商品を一括変更」→「在庫商品を納品/補充する」をクリック
  3. 「◯件の出品に対し、在庫商品を納品/補充する を選択しました。続行しますか?」と確認が表示されるため、問題なければ「はい、続けます。」をクリック
  4. 商品の「情報/アクション」の欄に表示されている青文字の「必要な梱包準備とラベルの貼付の詳細」をクリック
  5. 「梱包カテゴリーを選択」からカテゴリーを選択→「保存」をクリック
    ※基本的には「梱包不要」を選択すれば大丈夫です。
  6. 商品のラベル貼り付けを出品者自身でおこなうか、Amazonに依頼するかを選択し、「保存」

商品ラベルの印刷、貼付

前述のように、商品ラベルの貼り付けは出品者自身でおこなうことはもちろん、Amazonに依頼もできます。

自身でおこなう場合、ラベルのPDFデータが表示されるため、これを印刷して貼り付けます。商品にメーカーラベルがあるものは、隠れるように貼り付けてください。

梱包

輸送箱に商品を梱包し、詰め込む作業です。Amazonに送るだけのため、新品ではないダンボールでも問題ありません。

ただし、輸送中に中身が破損してしまわないように、エアーキャップや紙などの緩衝材を使用してしっかり梱包する必要があります。

  1. 梱包の詳細を設定し、納品する商品数を入力し、「梱包準備完了」をクリック
  2. 入力内容の確認が表示されるため、問題なければ「個別の商品の梱包」をクリック
  3. つづいて、納品の際に梱包する箱の個数、寸法や重量といった情報を登録し、問題なければ「確定して続ける」をクリック、修正する場合は「再起動」をクリック

配送ラベルを貼付、発送

最後に、輸送箱に配送用のラベルを貼り付ける作業です。

  1. 商品を出荷する日程を設定し、配送モード(個口配送/パレット配送)、配送業者(ヤマト運輸/日本郵便/Amazonパートナーキャリア以外)を選択し、「請求額を承認して出荷通知を送信」をクリック
  2. 輸送箱のラベルが表示されるため、これを印刷し箱に貼り付ける。
    ※ヤマト運輸の場合は事前に営業所で無料の配送ラベルをもらっておき、これに印刷します。

発送後に配送状況を調べるには、セラーセントラルのトップページで≡メニュー→「在庫」→「納品」から確認できます。

 

FBAを利用する際の注意点

注意点

FBAを利用する場合に、注意すべき部分もいくつかあります。どのようなことなのか解説します。

利用できない商品がある

商品の種類によっては、FBAでの納品が利用できないものもあります。たとえば、以下のような商品です。

  • 日本の法令で義務付けられている日本語表記のラベルが貼付されていない商品
  • 日本において必要な承認を得ていない商品
  • 室温で保管できない商品
  • 動植物
  • 危険物および化学製品
  • 医薬品
  • 医療機器
  • 金券類
  • 金貨・古銭等
  • 大麻由来の商品(CBD含む)

Amazonマーケットプレイスでの販売はできても、FBAではできない商品もあるため注意してください。詳しくは「FBA禁止商品|Amazon seller central」のページで解説されています。

Amazonの梱包ルールを守らなければならない

FBAでは実際に商品を購入者に発送する際、Amazon側が最低限の梱包をおこないますが、基本的には購入者にそのまま発送できるような状態にするのが望ましいです。

また、この梱包もAmazonのルールに従う必要があります。

輸送箱のサイズ

最大:50cm x 60cm x 50cmまで

最小:18.1cm✕10.0cm✕2.5cm以上

重量

最大:40kgまで

最小:0.15kg以上

※15kg以上の場合、輸送箱の天面と側面の2個所に重量物のラベル貼付が必須

輸送箱の要件

Bフルート(3mm厚)、ECT-32(エッジクラッシュテスト)、200BH(破裂強度)のいずれか

※中古の箱の場合、既存のバーコードや配送ラベルを除去するか隠す

※複数のダンボールをつなぐなど、箱の加工は禁止

緩衝材

エアピロー、エアーキャップ、新聞紙、紙、ポリエチレンなど利用可能。シュレッダー済みの紙やバラ状発泡スチロール、ポリスチレンチップなどは使用不可。

詳しくは「梱包要件|Amazon seller central」のページで解説されています。

賞味・消費期限がある商品には納品条件がある

食品全般のほかサプリメント、ペットフードなども含め、賞味期限や消費期限がある商品は「要期限管理商品」として以下のような納品条件が設けられています。

  • Amazonの倉庫到着時に消費期限まで「60日以上」あること
  • 法令に則った期限の印字がされており、外から確認できること

それぞれの条件について詳しく解説いたします。

Amazonの倉庫到着時に消費期限まで「60日以上」あること

60日以上であれば納品が可能ですが、残りが45日になってしまうと期限切れ在庫として販売不可となってしまう点には注意が必要です。

よって、仮にAmazonの倉庫へ到着した際の消費期限がちょうど60日の商品は、15日しか販売することができません。

ただし、もともと消費期限が短い商品の場合、事前に「短賞味期限商品 事前申請リクエストフォーム」から申請すると、期限が「30日以上」あれば特別に対応してもらえます。

※商品管理は常温のみ、5営業日以内に返信があるまで納品できない

法令に則った期限の印字がされており、外から確認できること

賞味・消費期限の表示方法にも以下のようなルールが設けられています。

  • 期限をラベルに記載して貼り付けること
  • ラベルの記載は日本語かつ「年→月→日」または「年→月」の順で表記
  • 使用者が読みやすく理解しやすい印字がなされていること
  • ラベルは商品本体に書かれた記載を隠さないように貼り付けること

まとめ

FBAを利用するには、以下の手順で商品の登録から発送までおこなう必要があると解説いたしました。

  • 商品登録
  • 納品手続き
  • 商品ラベルの印刷、貼付(出品者がおこなう場合)
  • 梱包
  • 配送ラベルを貼付、発送

Amazonへの納品だけでも多くの工程があるように感じられるかもしれませんが、この作業は一度実施すれば、在庫切れになるまでしばらく作業する必要はありません。

実際に自分で1から仕入れから発送までをすべておこなうことを考えたら、その回数や手間もかなり削減できるはずです。

AmazonでEC運営をしたいものの、手間や人手不足などがネックに感じている場合、FBAの利用を検討してみてはいかがでしょうか。